菊花開 きくのはなひらく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平安時代に中国から伝わった菊は、花の中で最も品格があり 霊力があると見られてきました。現在の10月中頃にあたる旧暦の9月9日には、菊の花を酒に浮かべて長寿を願う「重陽の節句」が行われました。 そして、その繊細な姿に人々は神秘さや妖しさをも感じてきたのでしょう。

「菊のせい」は 菊を大切に世話する家人に不思議な少年が現れる話。少年は菊の精霊で、化けるところを家人が見てしまい 枯れて消えてしまいます。また、能の「菊慈童」は 菊の霊験により不老不死となった美少年の話。菊に埋もれる庵で700歳をむかえながも美しく、華麗に舞う神秘的な曲目です。 菊は浮世の私たちに 束の間の夢を見せてきたのでしょうか。そして今宵、すれ違った美しい少年は 秋に現れる菊の化身なのかもしれません。

 

ペーパーアート:ふづき Paper Art: Fuzuki  ふづきの切り紙

コラム 桂浜名月 Column KATSURAHAMA MEGETSU