蓮始開 はすはじめてひらく

はすのはながひらきはじめる

蓮の花が開く頃。水の中から、すっと花が立っている姿を見つけた朝。心が清らかになっていくようですね。 この蓮は、私たちの生活に根付いているもので かつては茎を用いて布が織られました。 こんな話があります。 時は天平のはじめ。藤原家の郎女(いらつめ)・中将姫(ちゅうじょうひめ)は、継母に追われひっそりと暮らします。 もともと信心深かった姫は16才のころ  夕陽の中に阿弥陀仏と極楽浄土を見ました。 その後  尼僧(にそう)になった姫の前に老尼が現れ、蓮の茎を集めるように告げられました。 二人で蓮から糸を取り出し織り続けること一晩。五色の巨大な織物ができ、そこには姫が夕空に見た輝かしい浄土が描かれていました。これが今も残る国宝・綴織當麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら) です。 蓮の糸が、人と自然が調和する世界を紡ぎ、現代の私たちに中将姫の想いを伝えているかのようです。 蓮の花は、今も昔も、私たちに心の安らぎを与えてくれます。

 

ペーパーアート:ふづき Paper Art: Fuzuki  ふづきの切り紙

コラム 桂浜名月